#04 電氣伝心/電氣湯治 | 世界観設定コラム The World | SPECIAL | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』

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世界観設定コラム The World

#04 電氣伝心/電氣湯治

世界観設定 鈴木貴昭

電氣伝心は極めて大雑把に表現すれば、糸電話を電氣で増幅して遠距離まで届かせるシステムである。
蓄音機の構造を理解している喜八は、音を信号として変換可能であると分かっていた。
また、蓄音機では一旦録音して再生する構造上、リアルタイムでの音のやり取りは不可能である。
糸電話ならリアルタイムで会話できるが、振動を伝えるために糸をピンと張る必要があり、糸が見えてしまうので仕組みが分かってしまう。更には音が小さいので、聞かせる相手にコップなどの振動を伝える装置を耳に当てて貰う必要がある。
かと言って元の音を大きくすると、近距離だとそれ自体が聞こえる可能性が大きい。
なので、音の信号を電氣に変換して伝え、更には増幅して耳をコップのような振動板の近くに持っていかなくても聞こえるようにしなければならなかった。
だが、電磁石を使って遠距離に振動を伝えるのは可能でも、振動の強弱を伝えてその上増幅するのは電磁石だけでは不可能で、別な手立てを考える必要があった。
偶然試験器具を、電球のフィラメントのために作った竹炭の中に落として、それが器具の中に詰まったことが問題を解決する。音波で振動することで炭の電気抵抗が変化して、この変化を電氣信号として伝えるのが可能となり、逆に信号を受けた側の電流を増やせば音を増幅できた。
こうして簡単なマイクロフォンとスピーカーを作り上げるのに成功、遠距離まで電氣を使って声を届けられるようになった。
更には両側にマイクロフォンとスピーカーを設置すれば、電話機の原型となり、将来的には電話線さえ届けばどことでも会話が可能になることを喜八は夢想した。

電氣湯治は喜八が清六から聞かされた、過去の海外の実験にあったカエルの足に電氣を通すと動くという研究結果から生まれている。
その研究ではカエルの足から発展して、人間に微弱な電氣を流すことで、血行促進の効果があると結論付けられていた。
喜八自身も試行錯誤の末に簡単な電極を風呂に設置して入浴すると、何となく気持ちがよかった経験をしており、効果があるのではと思っていた。だが今回は設置に失敗する。

※登場する人物・団体・時代等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

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