スタッフインタビュー第6弾 太田稔(監督)×岡村公平(オープニングアニメーション/絵コンテ・演出) | SPECIAL | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』
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スタッフインタビュー第6弾 新章突入!オープニングアニメーションを語る! 新章突入! オープニングアニメーションを語る!
太田稔(監督) × 岡村公平(オープニングアニメーション/絵コンテ・演出)
――第7話からオープニング(以下、OP)アニメーションが流れて驚かれた方も多いと思います。この演出の意図を教えてください。
太田ちょうど第7話で物語が転換を迎えるので、これまでのOPから変えることで「ここから物語が始まるよ」というのを、視聴者の皆さまに伝えようと思いました。OP主題歌の作曲も劇伴と同じく湖東ひとみさんにお願いしましたが、それは劇伴とOP主題歌で同じメロディーを使いたいと思ったからなんです。視聴者には「ユーレカ・エヴリカ」のメロディーを耳に焼き付けてもらいたくて、第6話までは毎話映像を変えたOPの演出をしていました。
――岡村さんがOPアニメーションの絵コンテ・演出を担当することになった経緯を教えてください。
太田ちょうど岡村くんの手が空いていたんでしたっけ?(笑)
岡村全然空いてなかったですよ(笑)。
太田本当は僕が自分で作ろうと思っていたんですけど、本作は視聴者に「新しいもの」をお届けするという目標もあったので、岡村くんに任せてみたいなと思いました。本編では僕の見慣れない演出で視聴者を置いてけぼりにしてしまう心配があったので、真っ当な演出ができる岡村くんにどこかで入ってほしいと思っていました。
岡村急に呼び出されて「OPをやってみないか」と言われて驚きました。京都アニメーションの作品ではOPは監督が作ることが多かったので「本当にやっていいんですか?」って。新しいチャレンジや表現の場をもらえることはクリエイターとして光栄なことなのでうれしかったですが、プレッシャーも大きかったですね。
太田岡村くんの演出ってストレートなんですよね。
岡村あー、それはそうですね。
太田岡村くんは、みんなが求めているものを速さと上手さの両方を持ってストレートに表現できる。なので岡村くんの演出が入ると作品が良くなる。僕とかは一部のパラメータが突き抜けているタイプだと思いますが、岡村くんはそうではなくて、チームの中のエースとしての能力を持っていると思います。
岡村僕が演出をするときには、誰が見てもしっかりと、正確に受け取ってもらえるような映像になるように心がけています。王道は大切にしたいと思っているので。それを汲み取ってくれる太田監督はさすがだなぁと思います。通訳された感じでちょっと気恥ずかしいですが。
――OPについて、監督から岡村さんにはどの様な要望がありましたか。
太田第7話からの映像ということで後半の展開を予期させるようなカットを入れること。曲調に合わせてカットが切り替わるなど、何回も観たくなる映像であること。その上で、本作らしいクセのある感じもほしいと伝えました。
岡村一般的なOPではキャラクター紹介や世界観の説明が必要とされますが、今回は第6話までで視聴者に伝わっているのでそれは必要ないと思いました。僕としてもそれ以降の話を予期させるような何かを表現しないと意味はないのかなと思っていました。でも、太田監督はすごく難しいことも言ってましたよ。「気持ち悪くならないようにしないでほしい」……要するに、気持ち悪くしてってことなんですけど(笑)。なんで二重否定を使うんだろうと思いつつ、それくらい大切なことなんだろうなと思っていました。
太田曲と映像を合わせる演出はやってみてどうでした?
岡村先に曲があったので僕的にはやりやすかったですね。曲から受けた印象をどう表現するのかだったので。あと湖東さんにイメージを伝えるために監督が描いたOP主題歌のイメージイラストもありましたよね。それが一点透視で描かれた絵だったので、僕はそれを見て、何かに吸い込まれていくような感じや、人間の生命感、躍動、鼓動を感じていました。人間関係や世の中の事情など、複雑な要素の中を突き進んでいくような感じでしょうか。その後に湖東さんが作られた曲を聞いて、おそらく湖東さんが受け取ったものと僕が受け取ったものは近いのではないかなと感じたんです。僕はOP主題歌にも吸い込まれていくような印象を感じていて。サビに入る前の歌詞「電光石火」の部分で低音がどん、どん、と足音のように進んでいく感じがあったので、映像でも「核」の部分にどんどん吸い込まれていく、進んでいくようなイメージを入れています。
太田その映像を見て、かっこいいなって思ってました。僕からは出てこない真っ当なかっこよさだなと(笑)。ただただ感嘆してました。
――注目してもらいたいポイントはありますか?
岡村作品タイトルが出るカットで、タイトルロゴの後ろに見えている背景画です。京都の全景を3枚も描くというとても大変な仕事をやってもらいました。制作コストは意識しながら作っていたんですが「ここだけはお願いします!」と頼んだんです。そうしたら、すごいものがあがってきて。僕はもう美術背景セクションには頭が上がらないです……。通りや鴨川沿いは、よく見ると人も描かれてるんです。大きな画面で見たら、もしかしたら見えるかもしれません。作画の面で言うと、背動(背景動画)でしょうか。車と疎水船の逃走劇の部分は背動でやってくださいと原画スタッフにお願いしました。だいぶ苦労をかけました。また、サビ後のいろんなシーンが映っている幕のカットでは、監督から「イメージシーンでは現実味のあるものは使わないでほしい」と言われたので、普通の風のエフェクトではなく、日本画っぽいデザインチックな風の表現になっています。
太田「イメージシーンで現実味のあるものを使わない」というのは、本編の喜八が発明からイメージを思い起こすシーンに起因する意図でした。OP映像と本編映像での共通項は持っておきたかったので。
岡村監督の言う「気持ち悪さ」も出したいと思い、Aメロに入ってすぐの喜八のカットでは、本作のルックの研究をしている時に撮影監督の植田さんが開発した“絵画テイストのピント送り”の技術を流用してもらってます。絵コンテを描いている段階から植田さんに「あれ、使いたいです」と相談してました。
太田本作はそういうのが多かったですよね。本編では使わなかったけど、どこかで使えそうみたいなのが。
岡村ルックを研究する中でいろんな表現が出てきていたので、制作の中で撮影や特殊効果の可能性もだいぶ広がったんじゃないかと思いますね。
太田そうですね。
岡村あとラストの喜八と稲子のカットは、これから観ていただく最終話の“その先”みたいに捉えてもらえたらと思って作りました。楽曲でもラストにあえて一音付けてあるんですよね。その部分に「今後どうなるのか」みたいな問いかけがあるんじゃないかと思っていて。僕はそれを未来に対する不安要素のようなものと受け取ったので、「不安もあるけど未来は楽しくて明るい」と思ってもらえたらいいなという思いで描きました。ちなみに、稲子が話している言葉は秘密です。
太田僕はサビの前で屋外からカメラがギュンギュンと寄っていく部分が好きですね。曲の盛り上がりもあってお気に入りです。曲のリズムと合わせて楽しめるシーンかなと思います。
――監督として、岡村さんにOPアニメーションの絵コンテ・演出を担当いただいていかがでしたか。
太田エース岡村の力を発揮してもらえてよかったです。岡村くんのやりたいことやいいところが表現されている映像になっていると思います。ぜひ、岡村くんの今後の活躍にも期待していただければと思います。
岡村がんばります(笑)。これからも色んなことに挑戦してみたいと思います。
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