#11 電氣錦 | 世界観設定コラム The World | SPECIAL | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』
SPECIAL
世界観設定コラム The World
#11 電氣錦
世界観設定 鈴木貴昭
稲子の母親で百川酒造の杜氏でもあった百川苗子が残した、全く新しいお酒の製法。
売り文句は『ピリリと辛口、正に電氣の如し』で、軟水を使うために柔らかい濃厚な甘口が多かった伏見の酒とは違う、淡麗辛口を作ろうとした。
その過程として従来の杜氏の感覚に頼っていた酒造りから、西洋から入ってきた科学的な酒造りを積極的に導入しようとして、スチュワート・スミスに知恵を借りた。
恐らくその際に八嶋隆三が集めた資料を見て、「電氣」という言葉を知ったのではないかと考えられる。
電氣の刺激のような酒、それが新しい時代に適していると。
当時好まれていたのは、辛口は辛口ではあるが酸味と米の味が強い濃醇辛口が主流で、酸味が西洋から入ってきた酒と比べると強く、もっと洗練した味わいの酒でないと世界と勝負できないと苗子は考える。
伏見酒の淡麗さは残しつつ、辛口が多かった灘の酒の製法と水を研究、それだけではなく洋酒の製法も導入した。
結果として科学的なアプローチから酒を造ることを試みて、蔵の温度、湿度、天気、仕込み中の酒の温度や酸度などを厳密に測定して、製法自体もより合理的にしようとした。
だが、完成を見ることなく苗子はこの世を去ってしまった。
※登場する人物・団体・時代等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
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